6.岸壁的母
作詞:藤田まさと
作曲:平川浪竜
母は来ました 今日も来た
この岸壁に 今日も来た
とどかぬ願いと 知りながら
もしやもしやに もしやもしやに
ひかされて
「又引揚船が帰って来たに、
今度もあの子は帰らない…。
この岸壁で待っているわしの姿が
見えんのか…。
港の名前は舞鶴なのになぜ飛んで
来てはくれぬのじゃ…。
帰れないなら大きな声で…お願い
せめて、せめて一言…。
」
呼んで下さい おがみます
ああ おっ母さん よく来たと
海山千里と 言うけれど
なんで遠かろ なんで遠かろ
母と子に
「あれから十年…。
あの子はどうしているじゃろう。
雪と風のシベリアは寒いじゃろう…
つらかったじゃろうと
命の限り抱きしめて…
この肌で温めてやりたい…。
その日の来るまで死にはせん。
いつまでも待っている。
」
悲願十年 この祈り
神様だけが 知っている
流れる雲より 風よりも
つらいさだめの つらいさだめの
杖ひとつ
「ああ風よ、心あらば伝えてよ。
愛し子待ちて今日も又、
怒濤砕くる岸壁に立つ母の姿を…」
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